2025年9月15日月曜日

幸福論

こうみえて、私だって人生について考えています。そして幸福とはなんであろうかと。

昨今の脳科学的に解明するならば、幸福感とはホルモンや神経伝達物質が媒介する電気信号のネットワーク活動ということになります。

それを大別するならば、
1. 心の安定・安心感のセロトニン
2.  快感・やる気・達成感のドーパミン
3.  愛情・絆のオキシトシン
4.  強い快楽・鎮痛作用のエンドルフィン
ということになるでしょう。

まあ、例えばですが、
猫ちゃんに起こされ、毎朝5時半に起床、庭の水やり(セロトニン)
仕事で、不妊治療中の患者さんが妊娠判明(ドーパミン)
妻にちょっと怒られたけど、猫ちゃんを撫でて(オキシトシン)
スパ水春のロウリュウで整って(エンドルフィン)

あるいは
ジムでストレッチとウォーキング(セロトニン)
連休前の外来が終わって(ドーパミン)
あれやっといてって言われたことを忘れて注意されたけど、猫ちゃん撫でて(オキシトシン)
週末に美味しいもの食べて(エンドルフィン)
(※あくまでも参考です)

これを日々達成していけば、ああ幸せな人生だったなとなるのでは?

人間の悩みなんて、
金、恋愛も含めた人間関係、仕事、健康の4つくらいしかなんですから、
それぞれの悩みを、幸福ホルモンに変換できれば良いんじゃないですかね?
こう解釈したら、このホルモン出るなとか考えて。

1日が終わる時に、『今日は4つの幸福ホルモン、全部出たな』って思えたら幸せかなと。

このストレス解消にもつながるアイデアをスタッフに得意げに披露したところ、
「ふーん、誰も同意しないんじゃないですか」とにべも無い返事…
ふう、今日も猫ちゃん撫でよう。

あとは、「かわいい」より「きゃわいい〜」、「うまい」より「うまうまうま〜い」の方が、
より幸福ホルモンが出るのか、私の分析はそこまで進んでるんだけどな…

2025年8月31日日曜日

デジタルデトックス

ここ最近、人の名前や今やろうとしてたこと、言おうとしていたことを忘れてしまうことが多くなりました。

“いったい私はこの冷蔵庫の前で何をしているんだ?”

“何が言いたいがために私はこの件を話してんだ?”

「ボケてきてんのかな?」と奥様に尋ねても、「歳なんちゃう?」と返されてしまいます。


奥様も以前よりずっと、主語が無かったり、話の主題がいつのまにか変わっていくという症状が悪化しているように思えるのですが、

「チョット何言ってるかわからないw」とサンドイッチマン風に返すと、

「やっぱりボケてきたんちゃう」と怒られてしまいます。

(なのに子供達に指摘された時は照れてるだけなのが納得いかず、一人猫ちゃん撫でてます)


もちろん歳のせいもあるかもしれませんが、これはネットの見過ぎのせいではないかと思っています。

そんなことを書いている記事を見たような気がします。


毎日、大量の情報を入力しすぎて、アウトプットがうまく機能していない。

本や活字ぐらいの情報量からなら引き出すのも簡単だったのに、YouTubeやSNSなどから映像や聴覚も加えて入力されたラベリングされていない情報が脳に散乱しており、うまく引っ張ってこれない。

これなんじゃないかな?


よし、じゃあデジタルデトックスするぞ! 

少し涼しくなったら、ロックガーデンでも登ろうと決意し、

靴だけはネットじゃダメだなと好日山荘(アウトドア専門店)で購入。

9月はよ来いと構えていたところに、クマ騒動。

私の行く手を阻むように、森にはクマ、街には刃物を持った人が徘徊するという事件が連発。

結局、家でネット三昧の8月でした。靴はまだピカピカです。


クリニックに来る若い患者さんやうちの子供たちのようなZ世代は、デジタルネイティブのせいか、親以上のデジタル環境にありながらも割と理路整然と話をしてくれます。

この情報処理能力の差って、環境なんでしょうか、それともやはり年齢なんでしょうか。


2025年6月25日水曜日

久しぶりにピルの新作が出た

 ジェネリック薬の広がりはあっても、久しく新製品の販売がなかった低用量ピルに新製品が2つ登場しました。

昨年末に発売された「アリッサ配合錠」と今月末に発売される「スリンダ錠」です。


「アリッサ」は保険適用のある月経困難症治療薬として、「スリンダ錠」は避妊薬として保険適用外で認可されました。

当クリニックは非常に多くのピルユーザーに来院いただいていますので、私の場合はどうしたら良いのか?と悩まれる方もいらっしゃるかと思います。


簡潔に述べさせていただくならば、今のピルで不満がなければ変える必要なしです。

しかしながら、血栓症がどうしても心配、肥満の方、喫煙者の方はお薬を変える良い機会となりそうです。


独断と偏見でおすすめ順に述べさせていただくと、

血栓リスク少)   スリンダ>アリッサ>従来ピル

価格メリット)  従来ピル>アリッサ>スリンダ

長期安全性)   スリンダ>従来ピル>アリッサ

シート途中の出血)従来ピル=アリッサ>スリンダ

それぞれ僅差ではありますが、上記のように感じています。

(ジェノゲスト、アザリアはスリンダに近いものと考えてください)


組み合わせによってお互いの弱点が消せる場合があり、アイデアも持ってますので、皆様のご希望に合わせてベストな処方ができたらと考えています。


めずらしく、至って真面目な文章が書けました。

なんかオチが書きたい…


2025年5月25日日曜日

インスタ

先日、ホテル内のレストランで夫婦で食事をしていた時のこと、締めの一品が色鮮やかな盛り付けで運ばれてきた。

にっこり顔の私たちを見て、給仕の女性が「お写真(撮らなくて)、大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。

しかしながら、それは食事をしているフルムーンカップルを撮りましょうかというレコメンドではなく、インスタにあげないのかというお誘いであった。

少し斜めに傾けられた土鍋は、まだ彼女の胸のまえに掲げられていたからだ。

いとわろし(たいそう興醒めなことよのう)


私自身は、食事をSNSにあげる趣味はないのだが、お仲間にはたくさんいます。

みんなマメだなあと感心しています。

港区女子がアップしていれば、すわ承認欲求か?と眉を顰めるのですが、私の友人たちがやるからには、そこに何らかの意味合いがあるのではと考察します。

もっと深い理由が…


あの店行った、この店行った、などという承認欲求や自己顕示欲、はたまたポケモンカードを集めるが如くの達成感であろうはずがないのです。

本人らに聞けよって思うかもしれませんが、「久しぶり〜どうしてる?なんでインスタ撮るん」とか失礼にも程があります。親しき仲にも礼儀あり。


あそこ行った、あれ食べたであれば、絵葉書や雑誌の切り抜きで良いわけで、料理の写真をアーガイブすることの意義とは思えない。どこで誰と食べ、どう感じたかが重要な筈であり、彼らは皆それに気づいている。

脳科学的には、美味しい、幸せ、キレイといった感覚も神経伝達物質で脳に信号が送られることで得られる現象だという。

そうか、アーガイブした写真を見返すことによって、あの時のあの感覚が、矮小化されたにせよ再現されるという訳か。

それは、店の雰囲気や食事相手との空気感、旅先で感じた街の気配をも試食サイズで呼び覚ましてくれるかもしれない。それはメモ書きよりはるかに有用であろう。


「年甲斐もなく、こんなんやってんねん…」と前置きしながら写真を撮る友人達が、例に漏れず几帳面な人たちであったことを思い浮かべた。

(あの人たちは記憶の整理もできていたのか…)


ようは徒然なるままの日記みたいなものなのか?

instant gramとは「瞬時の電報」という意味らしい。

付箋に書かれたメモ書きの写真版か…

そう思うと、いとをかし(たいそう趣のあることよのう)


だったら、レストランの彼女の言うがまま、写真撮ってもよかったかな。

ま、それでも面倒くさがりなので、アップはしないと思うけど。

2025年4月18日金曜日

何気に今年一発目

最近よく休診にするせいか、ついに「先生、お身体の具合悪いんですか?」と聞かれてしまいました。

いいえ、むしろ絶好調です。


年明けから、看護師さんなどスタッフの引き継ぎがうまく埋めれず、こんな感じになっちゃってます。

人事は一難去ってまた一難と、未解決状態が続いております。

(来たけど合わなかったり、採用直後なのに家庭事情で…とか)


こんな時でも、「慌てない慌てない一休み一休み」の精神で、呑気にゴルフしたり、サウナ道に勤しめているのも、年の功なんでしょう。

ま、そのうちなんとかなるでしょう。


唐突ですが、医者の子供は医者になるのが当たり前って思ってませんか?

確かに、私の知り合いの医師は、自身がそうでなくても、ご子息、ご令嬢が医師になっている方が多いです。

親が良い背中を見せているのか、環境か、遺伝子か…

うちは数少ないパターンの方で、医師ではありません。

(私たち夫婦も医師の家系ではありません)


どんなものを目指すにせよ、皆努力しています。

医師、一流企業、研究者、会社経営者、…皆、努力して勝ち得るものだと思います。

コネや金を積んでスタートラインに立ったところで、身の程に合わないものは、早晩手のひらから落ちてしまうでしょう。


しかしながら、人生において、努力した経験は絶対に無駄にはならないが、結果として報われない場合もあります。

親なら誰でも、子には「努力が報われる人生であって欲しい」と願うものです。


私もいつも願うばかりで、努力が報われなかった人生にかけてあげる言葉を持っていない。

自身の受験や仕事、努力は最後には報われてきたし、より一層の努力は避けて来たのかもしれない。


東京藝大といえば、本邦の芸術分野の最高峰で、才能溢れた異能集団として知られている。

最近では、その激しい競争が漫画や映画、書籍でもよく取り上げられているが、私は彼らの才能に目を奪われ、その努力にまでは思いが至らなかった。

医師のなった子達も、アスリートも東大生も、ノーベル賞受賞者も才能だけではないのだ、当たり前だ。


息子はその藝大生になった。

「努力の報われる人生であって良かった」

合格を知らせるLINEには、そう返信した。


彼の戦友の多くは、また戦地に戻ったり、別の岸に辿り着いたそうだ。

私が親なら、彼らになんと声をかけるだろうか?

ゴールはそこじゃない、まだ終わりじゃない…か?(これは盗作)


幸か不幸か、私の中の欠けた語彙は今回もまた埋まることがなかった。





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