2011年3月31日木曜日

診療にも震災の影響

 震災の影響は医療現場にも少なからず及んでいます。東北地方には製薬会社の工場も意外に多かったようで、生産ラインが止まってしまった薬も結構の数になっています。今しばらくは現状でしのいでいく他ありません。
 東京の石原都知事が今回の災害に対して「天罰だ」と発言したことが話題に出ていました。最初聞いた時は何とトンデモナイ発言かとあきれ返っておりましたが、この大震災の後から日本社会全体がやさしくなったような気がします。天罰とは言いませんが、アングロサクソン型の格差社会になり、「勝ち組」「負け組」などという言葉が平気で語られ、それを良しとしていた社会にくさびが打ち込まれたのは事実だと思います。
 家族や気の置けない仲間と過ごすひとときに勝るものなど結局はないのかもしれません。謙虚に助け合って生きていくほうが、国民性にも合っていると思います。そしてもう一度立ち上がっていきましょう。ここは島国ではなく、周囲に大海原が広がった大きな国です。

2011年3月17日木曜日

こんな時こそ

 地震・津波・原発と日本中が不安の中で過ごしています。私もなんとなく落ち着かない日々が続いています。そんな中で、当院に定期的に通っておられる患者さんの何かホッとする話がありました。
 その方はもうすぐお誕生日で、今年83歳になります。先日も「夕飯の支度をしていたら予約時間に遅れてしまって!…」と息を切らせて来院されました。「そんなに慌てなくても、いつでも診ますから」といつもどおりに診察させてもらいました。そのあと少しお話をしてると、幼少のころ広島で原爆にあって、たまたま防空壕の中に入っていて大事は免れたことを教えてくださいました。「近くに病院があってそこに運ばれてきた人達のことは今も鮮明に覚えています。」などと色々聞かせていただきました。当然、その後阪神大震災も経験されています。
 かわいい(失礼!)おばあさまといった感じの方なので、そんな事があったなど全く存じませんでした。でもその方、今は当院のトレチノイン療法で美白もされてるんです。「奥様先生みたいになりたくてぇ…フフフ」といつも言ってくださいます。人間って逞しんだなぁと改めて実感し、何か力をもらえたような気がしました。
 現在は国民全員がつらい時ですし、今後数年は経済的にも厳しくなるかもしれません。でも下を向いていては何も始まらないと思います。今の私に出来るのは仕事に真摯に取り組むことだけですが、皆でまた立ちあがっていきましょう。

2011年3月6日日曜日

子宮頸がんワクチンの供給不足

 子宮頸がんワクチン(サーバリックス)の供給不足が起こり、当院でも予約の一時停止を余儀なくされました。当ブログでも懸念していた通りの結果です。3月に入り全国的に需要が殺到したようですが、メーカーの需要予想は夏休みに入る7,8月をピークに、また接種率も40%位と見込んでいたということです。
 高校1年生は3月までに接種すると全額無料になりますので、当然接種は増えるでしょうし、すでに公費化していた自治体では接種率70%でしたから40%という見込みは甘いとしか言いようがありません。高校1年生に対して接種期間の緩和措置を国に依頼中とのことですがその返答は1週間後ということです。
 うてないとわかるとうちたくなるというのが心情なようで、土曜日も当院には問い合わせの電話が殺到しました。先月に接種した方の2回目接種が優先されるようで、その分の確保は大丈夫なようですが、新規の受け付けは停止中です。(これは全医療機関共通です。)
 新型インフルエンザの時のように「今シーズンうたなければ」というものでもありませんので、慌てる必要はありません。メーカー側も需要があることが分かったのですから、自費接種の方が気軽に打てるように仕入れコストを下げれば良いのです。ちなみにこの子宮頸がんワクチンは仕入れ値が非常に高く、医療機関の利潤は微々たるものです。日本全国で公費接種となれば、莫大な利益がメーカーに入るはずです。良い薬だと思いますが、強欲はほどほどにしてもらいたいところです。

2011年3月3日木曜日

3月に入って

 ここ2,3年は子宮がん検診の無料クーポンが配られるようになったため、期限の2月末は大変な混雑になります。当院も例に漏れずといったところですが、今年は3月に入ってもなお忙しくさせてもらっています。子宮頚がん予防ワクチン(サーバリックス)の高校一年生の期限も迫っているからかもしれません。
 がん検診の無料クーポンが配られるようになって、普段検診を受けていない方が婦人科受診をされることは大変良いことだとは思うのですが、男性経験のない方が子宮頚がん検診を希望されるケースが散見されます。中には母親に行けと言われたので、とおっしゃる方もいます。器具の挿入もできませんし、理論上子宮頚がんになりませんので…。そこで、他の婦人科での悩みがないかということやサーバリックスのお話をしてお引き取りいただきます。親子とも子宮がん検診のことを理解していなかったという事です。
 この無料クーポンは麻生政権の末期に始まった制度ですが、その前段階からの教育がなければただの人気取りのためだったといわれても仕方がないと思います。私自身も、今後また中学・高校などでお話をさせてもらうときはその辺りから説明していこうと思います。
(3月6日追記:3月3日も当直中で、本稿を書いた後で1人目も私が立ち会わせていただいた方の出産がありました。当ブログも覗いていただいているということでしたので、この場を借りまして改めてお喜び申し上げます。Nさん美人姉妹誕生ですね。おめでとうございました。)

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