最近よく休診にするせいか、ついに「先生、お身体の具合悪いんですか?」と聞かれてしまいました。
いいえ、むしろ絶好調です。
年明けから、看護師さんなどスタッフの引き継ぎがうまく埋めれず、こんな感じになっちゃってます。
人事は一難去ってまた一難と、未解決状態が続いております。
(来たけど合わなかったり、採用直後なのに家庭事情で…とか)
こんな時でも、「慌てない慌てない一休み一休み」の精神で、呑気にゴルフしたり、サウナ道に勤しめているのも、年の功なんでしょう。
ま、そのうちなんとかなるでしょう。
唐突ですが、医者の子供は医者になるのが当たり前って思ってませんか?
確かに、私の知り合いの医師は、自身がそうでなくても、ご子息、ご令嬢が医師になっている方が多いです。
親が良い背中を見せているのか、環境か、遺伝子か…
うちは数少ないパターンの方で、医師ではありません。
(私たち夫婦も医師の家系ではありません)
どんなものを目指すにせよ、皆努力しています。
医師、一流企業、研究者、会社経営者、…皆、努力して勝ち得るものだと思います。
コネや金を積んでスタートラインに立ったところで、身の程に合わないものは、早晩手のひらから落ちてしまうでしょう。
しかしながら、人生において、努力した経験は絶対に無駄にはならないが、結果として報われない場合もあります。
親なら誰でも、子には「努力が報われる人生であって欲しい」と願うものです。
私もいつも願うばかりで、努力が報われなかった人生にかけてあげる言葉を持っていない。
自身の受験や仕事、努力は最後には報われてきたし、より一層の努力は避けて来たのかもしれない。
東京藝大といえば、本邦の芸術分野の最高峰で、才能溢れた異能集団として知られている。
最近では、その激しい競争が漫画や映画、書籍でもよく取り上げられているが、私は彼らの才能に目を奪われ、その努力にまでは思いが至らなかった。
医師のなった子達も、アスリートも東大生も、ノーベル賞受賞者も才能だけではないのだ、当たり前だ。
息子はその藝大生になった。
「努力の報われる人生であって良かった」
合格を知らせるLINEには、そう返信した。
彼の戦友の多くは、また戦地に戻ったり、別の岸に辿り着いたそうだ。
私が親なら、彼らになんと声をかけるだろうか?
ゴールはそこじゃない、まだ終わりじゃない…か?(これは盗作)
幸か不幸か、私の中の欠けた語彙は今回もまた埋まることがなかった。