2021年4月17日土曜日

ポストコロナはミニピルが来るかも

9価の子宮頸がん予防ワクチン「シルガード9」は、

待っていた方が多かったのか1ヶ月で20人程の方が接種に来られ、

今は少し波が落ち着いた感じです。

 

さて、表題の件です。

以前より当院ではミニピルというジャンルの並行輸入ピル「セラゼッタ」を

紹介させてもらっていましたが、

このコロナ禍で改めてクローズアップされるのではないかと思っています。


ミニピルは元々血栓症のリスクが少ないため、

肥満や喫煙者の避妊薬として使用されていました。

メリットはその安全性、

デメリットは通常のピルと違って服用初期の出血のコントロールが難しい点です。

このことから、当院では肥満、喫煙する方、40代のピルユーザーを中心に提案してきました。


しかしながら、ここに来て、コロナ感染で血栓リスクが上がる、

いやコロナワクチン接種でも血栓になるようだとの話題が耳に入り、

ピルユーザーの中では特に敏感になる方も増えているように思います。


今回のコロナ騒動では、我々にも明確な情報が降りてこないのですが、

海外の情報などを参考にすると、コロナ関連で特にピル服用が問題になるようなことは無く、

コロナに罹ったらその期間はピルの服用は中止」で原則OKかなと考えています。


それでも、ミニピルの安全性は捨てがたいという方に、

時代が我々に追いついてきたというか、

日本でも同様のお薬「ディナゲスト0.5mg」というお薬が

月経困難症治療薬として発売されました。


しかし、このお薬、従来品に子宮内膜症治療薬「ディナゲスト1mg」というものがあり、

もうすでにこちらはジェネリックで安価なものがあるにもかかわらず、

容量は減った(これ自体は使いやすい)のですが、値段は高いという設定。

1日2回服用というのも、使い勝手の点ではデメリットです。


薬価が落ちるまでは、使い勝手の良く、安価な、

「セラゼッタ」をお勧めしたいと思っています。

(もちろん保険薬を優先してお薦めするケースもあります)


しかし、保険薬の発売は、意外なメリットがあって、

ミニピルは最初の2、3ヶ月は不正出血が起こりがちなのですが、

今回の新薬ではそのことが当たり前のように謳われています。


おかげで、「セラゼッタ」の初期の不正出血も、

同様に大したことでは無いということを再認識してもらえ、

「このタイプのピルは、こういうものなのだ…」と、

安心して服用してもらえるようになりました。


ただ、ミニピルはどうしても出血のコントロールがうまくいかないケースもあります。

その点は、低用量ピルに軍配が上がりそうです。


今後は、月経の出血を支配したいなら「低用量ピル」、

月経なんて起こさなくて良いなら、起こしたく無いという方は「ミニピル」、

という時期に入って来るような気がしています。








 

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