2010年7月16日金曜日

お産の話

 以前働いていたクリニックで今も週2回ほど非常勤でお手伝いさせてもらっています。昨日も2件分娩を取り扱いましたがいずれも現代医療の助力がなければ危険な状態になっていたであろうと思われる症例でした。母児ともに元気で事なきを得ましたが、医療者側からはハラハラの展開でした。
 クリニック経営も大変ですが、分娩と言う仕事はやはり強度が違います。何年やっていても緊張感が薄れたことがありません。しかし、昨今の産科医不足もありますので、微力ながらしばらくは分娩にも携わっていこうと考えています。
 そういえば、先日ある助産院が新生児にビタミンKを投与せずに死亡させてしまい訴えられると新聞記事が出ていました。かわりにレメディ(?)という砂糖粒みたいなものを与えられていたとの事です。ホメオパシーとかいう民間療法らしいのですが、巷にあふれる健康食品も含め、基本を押さえた上でのトッピング程度に考えておかないと痛い目にあいます。
 妊娠・出産の分野はとかく『自然で…』と言う言葉が独り歩きします。私はある著書の一節にあった自然はどんな人間に対しても自動的安全や成功や生き残りなど保証しない。』という言葉を肝に銘じながら日々の診察・分娩にあたっています。医療現場ではハーブティーとアロマで「はい、ナチュラル」と言うわけにはいきません。

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