2018年11月26日月曜日

この世は多面体

一昨日は「10万個の子宮〜あの激しいけいれんは子宮頸癌ワクチンの副反応なのか」の著者である村中璃子先生の講演会に行って来ました。
会場の神戸市医師会館は、先生を応援したいと集まった産婦人科医・小児科医etc.で既に満員状態…

因果関係の不明な患者に群がる反ワクチン運動の市民団体、メディア、弁護団、そして情けないことに医師である大学教授までが加担し、捏造したエビデンスを振りかざして、日本における子宮頸癌ワクチン接種をほぼストップさせてしまいました。

医師でありながらジャーナリストの肩書きをお持ちの村中先生は、それを論理的に科学者らしく論破していかれ、その捏造を暴かれました。そこに多くの医師たちが賛同と賞賛を贈っているのです。

今年ノーベル賞を受賞された本庶佑先生のお力添えもあり、一部メディアでは最近少し風向きが変わって来たとの事でしたが、現場レベルではまだまだです。

ただ当院でも最近少し、問い合わせは増えてきているような実感があります。芦屋という土地柄なのでしょうか?
海外経験がある方も多く住まれているので、諸外国の事情を知っておられたり、ワクチンに対する認識がしっかりしているのかもしれません。(カナダでは男性も定期接種に入っているので、留学中の次男(12才)も普通に他のワクチンと一緒に接種していました。)

「得体の知れないこの反ワクチンのタッグは何なのか?宗教か?お金目的?」そう質問された先生がいらっしゃいました。
村中先生も答えに窮しておられましたが、私も確かに何か背後はあると思います。
ただそれは背後で誰かが操っているというより、イデオロギー的なものではないかと思います。(赤から緑へ色を変えた人達?)
反捕鯨、反原発、反肉食…そういう人は少数ではあるが世の中に一定数はいて、同じ事象を見ているはずなのに全く見えているものが違うんです。多面体だから、どちらも正義を孕んでいるのでややこしい。ただ、それでは社会は前に進まんのです。

今回間違っていたのは、村中先生も仰っていましたが、政府の対応です。
毅然とワクチン接種を続けていれば良かったんです。
それを定期接種(=recommended vaccine 推奨されるワクチンと訳されるそうです)にも関わらず、「積極的な接種勧奨を差し控える」なんて言質を取られるような通達をするから、前に進まない。

国際問題でも見ていたらそうじゃないですか、毅然としない態度が、問題を軟着陸させるどころか、拗らせてしまっている。

創薬に携わる人達も、現場の医師も、良いものは広く行き渡って欲しい。
そう願うのが、大多数が見る面なのですから…

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