今年も早いものであとわずかになってまいりました。今週は特に忙しくなっており、予約が取りにくかったり、お待たせすることもあり、大変ご迷惑をおかけしております。
さて、本日の報道で低用量ピルで5年間で11人死亡との、センセーショナルな見出しが躍っておりました。
えっ!てなりますよね。でも記事をよく読めば、ピルユーザーは国内推定100万人(ちなみに世界では1億人のユーザーがいます)って書いてあるんです。しかも因果関係は分かっていないってことも。
ピルの副作用に血栓症というのがあります。これは運が悪いと死に至ることもある病気です。しかし、妊娠するとピル内服の10倍の確率で血栓症になると言われています。
不幸にもピルによる副作用で亡くなる方が2人/年と考えると、その確率は0.0002%。実に99.9998%のユーザーはあの世行きなんてことはないんです。(周産期の母体死亡数は1年間で100万人中40~50人、でもお産でお母さんが亡くなるって皆さんピンとこないでしょう?)
そりゃ、副作用が全くないホルモン剤が出来たら最高ですけど、その機序を使って母体死亡も下げれますし、他の心・血管疾患も減らせるでしょうから・・・
子宮頸がんワクチンの時もそうでしたが、何ですかこのセンセーショナルな報道の仕方は?これからの女性のQOL(生活の質)を下げるだけですよね。ガラパゴス化しますよ。『タバコあかん』って毎日報道したらいいのに・・・
当院にも問い合わせの電話がたくさんかかるかな?と思っていたのですが、夕方に一人だけでした。今日も多くの方が低用量ピルを取りに来られましたが、皆さん冷静な対応でしたね。
今後も副作用には十分気を付けつつ、皆様にお勧めしたいと思います。今の婦人科医療は、もはやOC(低用量ピル)抜きでは語れなくなってきていますので・・・。
マスゴミは以前周産期母体死亡の件でも、産科医療に壊滅的な打撃与えるような報道をしたことがあり、もう少し大局的な観点から、物事を見れるようになってほしいものです。
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