2010年10月5日火曜日

ガイドライン

 最近、他院で定期的に更年期で受診されている方が、『あちらのクリニックは予約が取りにくいから』と言う理由で当院に来られるケースがありました。(若干失礼な理由のような気がしますが・・・(笑))
 そこでどのような治療をされているのですか?とお尋ねすると、差し障りのないホルモン療法(効果的とは思えない位の量の投与と言う意味)と漢方との組み合わせ。効果は出ていますか?とお聞きすると『それがあんまり変わらないんです。それもちょっと気になって・・・』との返事です。その先生を信頼されて通院している方に『その治療はちょっと・・・』と言うわけにもいきませんので、ガイドラインをお見せして、『このような処方量が今は一般的になってきているように思いますし、またご相談されたらどうですか。』とお答えしました。ご自分がどのような治療をしているかもご存知無いようでした。
 過激な治療でないだけに、『効果は無いけど副作用も無い、結局は時が解決』となることが手に取るようにわかります。更年期の治療ならご本人も医師もそれがおかしいと気づかないまま、『時間はかかりましたけどやっと最近調子が良くなってきました』でおしまいでしょう。でも不妊治療などではこれはどうですか?私の目には治療ではなく時間泥棒とさえ思えるのです。
 医療は試行錯誤の繰り返しなので決まった方法など本来無いのかも知れません。しかし、日本全国どこで治療を受けても同じような水準を享受出来るようにするのも医療者の役目です。治療にもスタンダードはあるはずだと追求する医師が多いからこそ、最近ではどの科も『ガイドライン』と言うものを作成しています。そのガイドラインも年々改定されていきますから、今現在『オレ流』『ワタシ流』でやっておられる方の治療が、スタンダードとなる日が来るのかも知れません。(絶対来ないと思いながら書いています。)
 でも、私は『以前はこれが正しいと言っていたけど、ごめんなさい。今はこれです。』と言うことを恥ずかしいこととは思わないのです。それでも今現在のベストを常に提供するべきでしょう?そう思いませんか。

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