「要精査」となった場合の再検査やHPV(ヒトパピローマウイルス)のチェックはクリニックレベルで十分可能ですが、問題はコルポスコープ(膣拡大鏡)による組織診断が必要になった場合です。悪性腫瘍の分野を熱心にやっておられた先生は別にして、個人クリニックでこの顕微鏡を準備しているところは非常に少ないのです。また検査結果によっては手術治療の必要がありますので、多くは近隣の大きい病院に紹介しているのが現状でした。
私たち夫婦も今まで大きい病院の勤務医をやっていて同様の依頼を受ける立場でしたが、麻酔の必要もない検査とはいえ、器械の準備や観察には案外時間がかかるものでした。また検査後の出血の処置などもあり、外来の合間にちょっと診ましょうとはなかなかいきません。そこで、初診の時は検査の説明と検査の日時を決め、後日改めて来院していただいて検査という手順を踏みます。そして、1,2週間後に結果報告です。正直言って、この一連の診察手順に僕自身疑問を抱いたことがありませんでした。患者さんの側も病院とはそんなものだと思っていたのではないでしょうか。
ここに意外な盲点があることに気付かされる出来事がありました。(つづく)
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