「今まで食べた物で、もう一回食べたいなってモノある?」って聞いてみました。
流動食も入らなくなっていた病人に、何を聞いとるのかとも思うのですが、
「…志摩観光ホテルの鮑のステーキ」って、割とはっきりと答えてくれて驚きました。
「何それw、志摩観光ホテルって所じゃないとあかんの?」
「…ウン」と頷き、その後はまた夢と現の間を行き交っていきました。
私がその光景を思い出したのは、それから数年後、
2016年の伊勢志摩サミットが行われた時です。
そのホテルがG7サミットの会場となり、
女性料理長が各国首脳に料理を振る舞うというニュースを耳にし、
ホテルHPで、例の「鮑のステーキ」が看板メニューの一つであることを知りました。
「こりゃ、どうせしばらく予約はできないだろうなあ」と思いながら、
いつしか、そのことも忘れてしまっていました。
早いもので、その父親の13回忌が今年5月でして、
兄家族と私だけで簡単に法要を済ませた時に、またふと思い出したんです。
もしかして、コロナ禍の今ならかえって予約取れるかも…
そして行ってきましたよ。
遂に、この夏、小学校の修学旅行以来のお伊勢参り。
当時は意外に小さくてがっかりした夫婦岩…いや、趣ありますやん。
全く記憶にない伊勢神宮…荘厳、来て良かった。最高。家内安全、コロナ退散。
伊勢うどん…思ったより悪くないね。
手ごね寿司…思った以上にインパクトないね。
赤福…かき氷最高!
そして、そして、「ラ・メール」で頂く、トラディションコース…
意外と2番バッター位の早めに順序で、それは運ばれて来ました。
「これか…」と感慨に耽る私、
「お〜確かに美味いな」って、もう食べとるんかい息子!
鮑のステーキは、鮑のバター焼きとは全く違うんですね…うん美味。
他の物もとてもおいしく、最後はあの女性料理長(樋口シェフ)が、
挨拶に周って来られました。(コースが終わった席を全て回られていたようです。)
思い出は胸にしまい、感謝の言葉を掛けさせていただきました。
充実した1日となりました。
後日、母親にこの美しい話をすると、
「私、連れて行ってもらってない!会社の人らと行ったんやわ。」と怒ってました。
その辺はちゃんとしておいて欲しかったですよ、お父さん。
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